失語症患者を対象としたデイサービスセンター、言葉のかけ橋(佐藤なおみ所長)は二日、盛岡市中ノ橋通一丁目に開所した。病院やリアビリ施設で訓練を終了後、社会復帰までの「懸け橋」として、失語症患者の個別リハビリ、創作活動、家族同士の交流などを行う拠点となる。失語症患者を対象としたデイサービスは全国的に少なく、本県での拠点整備は初めて。
開所式は同日、現地で失語症患者と家族ら約四十人が出席し行われた。開設準備会代表で南昌病院(矢巾町)の言語聴覚士佐藤誠一さんは「言語聴覚士として二十年間思い描いていたことが実現した。失語症患者や家族が親しく交流する場所に育てていきたい」、妻の佐藤なおみ所長は「言葉が出るまで何年もかかる人もいる。そのような人たちを支えていきたい」とあいさつした。
施設は木造二階建て、延べ床面積323平方メートル。創作活動などを行うデイルーム、畳のある静養室、入浴施設などを備え、脳卒中などで手足が不自由のなった利用者に配慮し、エレベーターを完備した。
利用定員は十人で、スタッフは佐藤所長のほか、介護福祉士、言語聴覚士、生活相談員、調理師ら五人。介護保険を適用し、送迎、個別訓練、入浴、グールプワークなどを行う。デイサービスと同時に、介護保険のケアプラン作成も支援する。
失語症は、脳卒中や事故などで脳の言語中枢を損傷したことで言葉が理解できない、話せない、書けないなどの症状が起こる。病院やリアビリ施設で一定の訓練を終えても、職場や家庭内でのコミュニケイションがうまくいかず、孤独を抱えることも少なくない。患者を支える家族の相談場所が少ないことも課題になっていた。
問い合せは言葉のかけ橋(019・651・1017)へ。
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